鼻の病気 花粉症

20年程前より毎年、春先になるとスギ花粉が舞い上がり、たくさんの人がアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎などを引き起こし、日常生活への影響の大きさから社会問題にまでなってきています。春先のスギ花粉症でお困りの方は多いと思いますが、それ以外にも、ダニやハウスダスト(ホコリ)、ヒノキ花粉、イネ科花粉など、様々な原因抗原によりアレルギー症状を訴える場合も多くがあります。
アレルギー性鼻炎は透明かつ水のようで、粘り気のない鼻水がでてきます。
スギ花粉症の対策としては花粉の飛散する約2週間前(東京では1月の終わり頃)から抗アレルギー剤と呼ばれる予防薬を内服し飛散が終了する5月の連休頃まで続けることで抑えるられます。
これを基本として、症状が重くなる花粉の最盛期には症状をおさえる抗ヒスタミン剤を併用したりステロイド製剤の点鼻薬や鼻づまりを軽減する血管収斂剤の点鼻薬を併用します。

急性鼻炎(鼻かぜ)

かぜの鼻症状は大人でもつらいものですが子供、とくに赤ちゃんから2才くらいまでの小さなお子さんは、鼻水のために鼻がつまってミルクが飲めなかったり、夜眠れなかったりで大変です。このような時は薬の内服の他に、鼻水を吸い取るだけでもとても楽になります。急性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などを起こさないようにするためにも、また、他の病気でないことを確認するためにも、耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。
アレルギー性鼻炎は、アレルゲンと呼ばれる原因物質が鼻の中の粘膜に触れるとアレルギー反応が起こり、鼻水、くしゃみ、鼻づまりが出てきます。アレルゲンとしては、ダニ、ハウスダスト、カビなどの他にスギなどの花粉があります。治療は、アレルゲンを遠ざけることが大事ですが、現在多くの抗アレルギー剤が出ており抗アレルギー剤の内服を基本としてステロイド製剤の点鼻薬や鼻づまりを軽減する血管収れん剤の点鼻薬を併用したりします。
鼻づまりは不快ですよね。パソコンに向かっても落ち着きません。こんなときは小鼻の両脇のすこしくぼんだところ、「迎香」といわれるツボを中指ですこし強めに押さえてしばらくすると鼻がすっと通ります。

鼻の病気 嗅覚障害

臭いが分からなくなる原因としては大きく分けて2つあります。一つは臭いの神経自体がウイルスや加齢などにより障害をお越して臭わなくなる場合と、もう一つは慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎があり、臭いの通り道が塞がって臭わなくなる場合があります。他にはその二つが混合している場合や、外傷や血液内の亜鉛が不足していることもあります。まずは何故臭わなくなったのかを検査して原因を突き止め、分かればその治療をすることになります。
検査は、まずは静脈注射でにおいの元を注射して臭うかどうかの検査や、実際ににおいを嗅いでみて、臭うかどうかの検査などがあります。他にも、慢性副鼻腔炎が疑われる場合は副鼻腔のレントゲン、亜鉛が不足しているかどうかは血液検査によって調べます。
そして、原因となっている病気の治療をすることになります。慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎であればその治療、神経自体の障害であればその治療、亜鉛不足であればその治療になります。嗅覚障害の一番有効な治療はステロイドの点鼻薬です。鼻の穴を天井に向けるように仰け反って点鼻薬を垂らして行いますが、喉に多少液が流れ込みます。